国内鉄鋼3位の神戸製鋼所が10月8日に突如公表した、一部アルミ・銅製品の品質データ改ざん問題ですが、当初発表の10年前からという話は実は40年前から模という話も出て、疑惑は深まるばかり。
経済産業省によると、神戸製鋼のアルミ素材の納入先には、三菱重工業、IHI、川崎重工業、SUBARUの防衛装備品の製造会社も含まれています。
その結果、自衛隊機に重大な疑惑が・・・
この記事の構成
「神戸製鋼」改ざんの影響を受ける、川崎重工
神戸製鋼のアルミ素材を大量に使用して、川崎重工が製造している防衛装備品に重大疑惑が生じているという。
大型輸送機「C-2」
C-2輸送機は、物資や車を運ぶ大型輸送機
2000年に計画された国産輸送機のC-2は、開発中の機体の強度不足の発覚して、予定よりも現場配備が5年も遅れたといういわくつきの輸送機。
18年度末までに8機が実用される予定となっている。
その輸送力は、機甲戦力「16式機動戦闘車」を自衛隊機では唯一そのまま運べることに表れている。
C-2輸送機の輸送能力は、有事の際に威力を発揮するだろう。
哨戒機「P-1」
P-1哨戒機は、C-2輸送機の兄弟機として、同時に計画された機体です。
P-1の機体重量比で約15%が共通部品で、搭載システムは品目数で約75%が共通装備となっている。
海外の評判
C-2輸送機は、これまでに米国、UAE、ニュージーランドから引き合いがありました。
P-1哨戒機も、ニュージーランドや英国と交渉したと言われています。
日本にとっては、C-2輸送機もP-1哨戒機も、防衛装備品輸出の切り札と言われています。
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「神戸製鋼」改ざんを見逃した影響
防衛省の記者会見では、「メーカーから『直ちに運用に影響はない』との回答を得ているが、(全容を)早急に確認したい」と機体名を特定しないで、述べられている。
実は、C-2とP-1の2機は開発段階で何度も強度不足の壁にあたり、その都度補強を繰り返して開発が遅れていたということは既知の事実です。
C-2とP-1の2機の問題点
【07年7月30日に防衛省が公表した内容】
地上での強度試験で、両機は水平尾翼が変形し、C-2は主脚やその付近の胴体構造の一部が変形したという。
P-1は胴体の床構造の一部にひびが入ったという。
そのために、両機体の設計が見直されました。
【14年1月に防衛省が公表した内容】
地上試験でC-2の機体強度を確認した際、後部の貨物扉が脱落したという。
この問題について、防衛省は「機体後部のフレーム強度不足が原因」と発表していた。
なぜ、このような強度不足が起きるのか
設計段階に想定していた強度と、実際の強度にこれほどまでに差が出ているという問題を鑑みると、神戸製鋼から納入された製品に不備がなかったのかという点に目が行くのは自然だ。
北朝鮮の怪しい行動に対して、有事の対応が万全になるのかという不安がよぎるのは、私だけではないだろう。
日本の防衛産業が海外の信用を失う可能性
海外からの引き合いもある、C-2やP-2に、防衛省が「独自基準だから大丈夫」と唱えても、「強度不足で設計見直し」の前歴がある以上、海外の目は神戸製鋼の問題とともに、より厳しくなると予想される。
ここで、さらに不安要素といえば、航空自衛隊の主力戦闘機「F-15」の機体とエンジン。
開発中の支援戦闘機「F-2」のエンジン。
これらにも、神戸製鋼製のチタン合金が使われているが、万が一チタン合金も改ざんとなれば、防衛産業の海外輸出にとってのダメージは計り知れない。
神戸製鋼の調査により、様々な素材での偽装が相次ぎ発表されている中、チタン合金も含まれるとなれば、日本は制空権をも守れない事態に発展しかねない。
まとめ
今回は、神戸製鋼所が10月8日に突如公表した、一部アルミ・銅製品の品質データ改ざん問題のあおりを受け、川崎重工が製造している自衛隊機の強度に不安が生じ、日本の防衛問題や。海外の信用問題に発展して、防衛産業に影響を与えかねないという記事を書いてみました。
また、次回をお楽しみに。
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