神戸製鋼の倒産、可能性急浮上!

国内鉄鋼3位の神戸製鋼所が10月8日に突如公表した、一部アルミ・銅製品の品質データ改ざん。

会見で、10年ほど続いていたと発表されたが、実は40年前からやっているという情報がリークされたりと、神戸製鋼への不信は募るばかり。

このままでは、第2のタカタになると、神戸製鋼倒産が囁かれ始めた。その一方で業界再編成の噂も。

 

収まらない神戸製鋼のデータ改ざん問題

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神戸製鋼の元社員からの話では、

取引先が要求した基準から外れた「トクサイ」であるアルミ板を「顧客の了解を得ないまま出荷していた」と説明。

その際、「検査合格証を改ざんしていたようだ」と話す。

また元社員は、90年代にデータ改ざんされた合金を部品加工会社に納入し「品質がおかしいのではないか」と指摘されたされ、代替品をすぐに納入できたため問題が表面化しなかったという。

この元社員は「工場長や工場の品質保証責任者も不正を把握しているケースもあり、不正は組織的に行われていた」と証言しているそうだ。

また別のベテラン社員は、

「鉄鋼製品では30年以上前から検査データの不正が続いている」と証言している。

自動車部品などに使われる鉄鋼製品の製造には熱処理が必要だが、処理の仕方によって品質に差が出ることがある。

「品質検査の結果、一部で合格に達するデータが得られれば、適合品として出荷している」といい、「検査データの改ざんに当たる」と指摘する。

つまり、神戸製鋼が会見で明らかにした、データ改ざんは10年前からというのは、実は間違いで、何十年も続いていたことになる。

ここまでくれば、組織ぐるみの隠蔽構造で、救いようも無い状況とも言える。

鉄鋼製品の世界シェアを持つ神戸製鋼の、データ改ざん問題は日本国内のみならず、海外への影響も大きい。

大手の不祥事は、どこまで続くのだろう?


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「第2のタカタ」が目に浮かぶ神戸製鋼

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帝国データバンクから、16日に神戸製鋼とグループ会社の製品の取引先が6123社に上ると発表された。

同社製品は新幹線、H2Aロケット、国産初のジェット旅客機MRJ、防衛装備品に鉄粉……。

神戸製鋼は改ざん製品の納入先を約500社と説明しているが、性能データを改ざんした対象分野は日増しに拡大するばかりで、影響はどこまで広がるか、先が見えない。

株価は年初来高値を付けた7月31日(1395円)から急落し、きのうは一時774円の年初来安値となった神戸製鋼。

組織ぐるみで不正を隠し、トップの謝罪会見も後手後手の対応は、欠陥エアバックのリコールで、戦後最大の負債を抱えて倒産した「タカタ」を彷彿とさせる。

このまま行けば、神戸製鋼もタカタの2の舞が目に見えている。

神戸製鋼は、自動車業界がリコールが開始すれば、その保証に振り回されるのが目に見えている。

神戸製鋼は、米国子会社が米司法当局からデータ不正を行っていた製品の関連書類を提出するよう要求されているそうだ。

「タカタ」の例を見ても、海外企業は日本よりもコンプライアンス(法令順守)が厳しいので、国よっては神戸製鋼や関連子会社に対して、懲罰的な意味も含めて巨額の損害賠償を請求する企業も出てくると思われる。

神戸製鋼の取引先も、取引停止に踏み切るところも出るでしょう。

このまま行けば、神戸製鋼の倒産も、まんざらでは無くなりそうだ。

神戸製鋼をめぐる、業界再編の動き

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国内鉄鋼3位の神戸製鋼所が10月8日に突如公表した、一部アルミ・銅製品の品質データ改ざん問題。

神戸製鋼のアルミ事業は、国内のパイオニア的存在で、神戸製鋼の成長戦略の柱の一つでもあった。

昨年6月にも、同社系列の神鋼鋼線工業でステンレス製品の日本工業規格(JIS)違反が発覚している。

神戸製鋼は「線材の神鋼」とも呼ばれ、自動車エンジンの弁ばね用線材では世界シェア約5割を握るトップメーカーでもある。

自動車のボディにも使われる、高張力鋼板(ハイテン)への疑念が浮上し始めている。

もしそこまで発展すると、自動車なんかはリコールではなく、車両交換という事態だってないとはいえない。

もともと、ライバルの新日鉄住金やJFEホールディングスに比べ財務体質が脆弱な神戸製鋼。

ハイテンやアルミ材などの戦略分野でライバルに打ち勝つほどの資金力に不安のある神戸製鋼は、劣勢挽回の道筋が描けない。

旧新日本製鉄が2012年に旧住友金属工業と統合し、2017年には日新製鋼を子会社化した、業界再編成の動きが見え隠れし始めた。

今、残る高炉の再編候補はJFEと神鋼のみとなっている。

JFE側は、「棒線(棒鋼・線材)やアルミ材が強い神戸製鋼とは補完関係がある」と前向きな姿勢を見せているが、当の神戸製鋼は機械や電力事業も含む複合経営のまま、「独立独歩を続ける」と言う姿勢だ。

とは言っても、「第二のタカタ」が囁かれる神戸製鋼にとって、会社の解体・統合を含む再編策が経営の選択肢としてクローズアップされる可能性は十分ある。

まとめ

いつも最後まで読んでいただいてありがとうございます。

今回は、国内鉄鋼3位の神戸製鋼所が10月8日に突如公表した、一部アルミ・銅製品の品質データ改ざん問題。

掘り下げられる、神戸製鋼の隠蔽体質と、データ改ざんにより、企業体質の低下で倒産もしくは再編が考えられるという記事を書いてみました。