全日本ラリー選手権をISUZU ジェミニ ZZが制した時があったの知っているか

全日本ラリー選手権 ISUZU ジェミニ ZZ

トムおやじは、1980年にISUZUの作ったスポーツセダンのジェミニ ZZが、全日本ラリー選手権を制したときの、メカニックスタッフの一員だった。

神奈川のラリーストだった、金子繁夫/相馬和夫のベテランコンビが、アッスルを立ち上げて、シーズン中盤から参戦したにも関わらず、シリーズチャンピオンを射止めた。

この「ZZ ショック」に立ち会った思いでを、記事にしてみる。一部記憶違いがあっても、お許しを。

全日本ラリー選手権とは

 

出典:www.jrca.gr.jp

現在は、JRCアソシエイションが運営している国内ラリーの最高峰だ。

全日本ラリーの出場車は、市販車ベースでエンジンなどの改造は認められておらず、身近な車両が走るので、F1などとは違って親近感がある。

その一方で、ラリーはF1などサーキットで競う訳ではなく、刻々と路面状態が変化する一般道で行われるため、ドライビングテクニックはサーキット以上とも思われる。

今のラリーは、4輪駆動が当たり前のようにもなっちゃいましたね。

雪道でのドライビングは、迫力ありますね。

ついでに、世界ラリー選手権も見ちゃいましょう。

ISUZU ジェミニ ZZって知っているか?

今ではISUZUといえば、トラックメーカーと思われています。

でも、以前はかなり革新的な乗用車メーカーでも有ったのです。

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ISUZUベレットGTは、4輪独立懸架やラックアンドピニオンという当時は革新的な技術をいち早く採用し、サーキットを席巻した。

出典:www.jsae.or.jp

ISUZU 117クーペは、イタリアのデザイナージウジアーローを起用した4座席クーペで、日本を代表するデザインと言われた。

それ以外にも

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NAVi5という革新的な変則機構も作っていた。

クラッチと変速機を組み合わせて電子制御し、マニュアルモードも使える当時としては革新的な機構では有ったが、登場する時代が早すぎて普及するには至らず消えていったが、現在のISUZUのトラックには採用されているようだ。

そんなISUZUが、1979年に出したのが当時販売していたジェミニに1800ccDOHCエンジンを搭載したジェミニ ZZが誕生した。

出典:jime777.web.fc2.com

出典:ichiba.geocities.jp

このジェミニ ZZは、1トンを切るボディに130馬力のエンジンという、当時としてはDOHCを持つトヨタ勢よりも優れたポテンシャルを持っていた。

ISUZUが、こんな乗用車を作っていたなんて、今の若者は知らないであろう。


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ジェミニ ZZが全日本ラリー選手権を制したとき

1980年の頃のラリーでは、トヨタのレビンやトレノ、三菱のミラージュや、スバルのレオーネ、マツダRX-7などが上位を占めていた時代である。

1980年の全日本ラリー選手権中盤から衝撃のデビューを果たした。

デビュー戦で、並み居るライバルに圧倒的な大差をつけて優勝した、ジェミニ ZZ。

残りのシーズンもほぼ制して、デビューした年のシリーズチャンピオンをモノにした。

出典:blogs.yahoo.co.jp

シリーズ優勝した当時は、まだまだプライベート参加でしたが、翌年からはISUZUのサポートも受けれるようになって行きました。

それまでは、ラリーカーも自走していったのですが、キャリアカーで運んでもらえるようになりました。

まあ、優勝したんだから、当然といえば当然でしょうけどね。

そのご、しばらくはジェミニ ZZはラリー界を賑わしました。

ジェミニ ZZが勝てた理由

当時、ジェミニ ZZがシリーズ優勝したのは、ジェミニZZの持つポテンシャルが他を圧倒したのは事実。

そして、ドライバー金子繁夫の卓越したドライビングテクニックも事実。

神奈川のローカルラリーにナビとして乗せてもらったときの印象は、まさにイニシャルDの拓海のおやじでしたね。

SS走ってるのに、タバコに火をつけたりしてね。

でも、ジェミニ ZZがシリーズ優勝したのは、チームアッスルのチーム力だと思っていますよ。

中でも、チーフメカニックだった藤井氏の指示と読みは的確で、リタイヤなんて絶対に有り得なかったですね。

当時のラリーのサービス地点では、ガレージジャッキに十字レンチが当たり前だったのに、チーフメカニックの藤井氏はアセチレンボンベを持ち込んで、ガレージジャッキもエアインパクトレンチもアセチレンガスで駆動しました。

タイヤ交換なんて、あっという間に終わります。

すぐに、他チームも真似しましたけどね。

更に驚いたのは、

ミッションやデフを組み込んだリヤホーシングまで持っていきました。

まさかとは思ったけど、ミッション交換したこともありますよ。

サービスカーには、グラベルとターマック用のタイヤ2セットを2台分16組。

ガレージジャッキ2台、馬2台分、アセチレンボンベ2本、ミッション、リヤホーシング2台分、その他消耗パーツや、工具など積むから、積載オーバー。

初めての車に、ロールバーやアンダーガードを作ってくれた、小山ガレージの協力など、本当にチーム力の賜物だと思っています。

まとめ

ジェミニ ZZが全日本ラリー選手権を制したときに、チームアッスルのメカニッククルーとして参加できたことは、今思えば楽しかったし、良い経験でした。

先日も、金子繁夫氏と会いましたけど、お元気でしたね。

トムおやじも、当時はクラスAで常勝のトヨタ・スターレットKP61に乗っていました。

エンジン以外は、全ていじってましたよ。

クロスミッションに交換して、LSD組んで、キャンバーアジャスター付けて・・・

チームアッスルの給料ほとんどつぎ込みましたね。